【検証】多頭数と小頭数、レースレベルが高いのはどっち?

JRAで開催される競馬は最大で18頭が一緒に走ります。
ただ、馬券を買う方はご存じだと思いますが、出走頭数が18頭、いわゆるフルゲートになることはあまりありません。
特に500万下(1勝クラス)、1000万下(2勝クラス)のレースなどでは出走頭数が7頭や8頭のレースも珍しくありません。

重賞で馬券を買う時に
「この馬は前走、小頭数で勝ってきているからレベルがどうか…」
というような考えをする人も多いのではないでしょうか。

今回は小頭数のレースレベルは本当に低いのかをデータをもとに検証していきましょう。

目次

出走頭数別の平均レースタイムを分析してみる

今回もいつも通り2016年1月~2020年8月末までのJRAで開催された全レース、のべ22万5564頭のレースデータを使っていきます。
また、こちらもいつも通り、出走頭数が比較的多い競馬場・コースをいくつかピックアップして良馬場のレースタイムを分析しました。
※のべ出走頭数が20頭より少ないところは「ー」と記載しています。

8頭立て10頭立て12頭立て14頭立て16頭立て18頭立て
小倉 芝1200m1:08.51:08.31:08.71:09.1
東京 芝1600m1:34.11:35.01:34.71:34.41:34.41:33.5
阪神 芝1800m1:46.81:46.81:46.81:47.61:47.21:47.2
中山 芝2000m2:02.42:01.62:01.72:02.0
中山 ダート1200m1:11.71:12.01:12.3
東京 ダート1600m1:38.11:39.31:38.71:38.5
京都 ダート1800m1:54.61:53.81:53.21:53.5
阪神 ダート1800m1:54.41:53.71:53.51:53.7

表では最も速いタイムを青文字で、最も遅いタイムを赤文字で表しています。
いかがでしょうか?
コースによっては結構差があるところもありますが、「小頭数だから」「多頭数だから」というような結論は導けなさそうです。

ただ、レースのレベルは基本的に勝ち時計や3着馬の走破タイムをもとに語られることが多いです。
これは最下位の馬のタイムや、勝ち馬から大きく離された馬たちの走破タイムはレースレベルに直結しないと考えられるからです。

ということで、次は3着以内馬の平均走破タイムを出してみましょう。

出走頭数別の馬券内タイムの平均を調べてみる

先ほどの表でデータの少なかった8頭立てと、中山ダート1200mのレース以外のものをまとめてみました。
※該当馬が10頭以下の場合は「ー」と記載しています。

こちらも最も速いタイムを青文字で、最も遅いタイムを赤文字で表しています。

10頭立て12頭立て14頭立て16頭立て18頭立て
小倉 芝1200m1:08.01:08.01:08.5
東京 芝1600m1:34.41:34.01:33.81:33.61:32.6
阪神 芝1800m1:46.21:46.61:46.5
中山 芝2000m2:02.02:01.22:01.02:01.4
東京 ダート1600m1:38.41:38.01:37.6
京都 ダート1800m1:53.51:52.91:52.81:52.6
阪神 ダート1800m1:53.51:52.71:52.71:52.9

いかがでしょうか?
この表では明らかに10頭立ての時の走破タイムが遅いように見えます。

つまり、10頭立ての馬券内の馬と16頭立ての馬券内の馬では持ちタイムが明らかに違います。

これは、前走10頭立ての勝ち馬と、前走16頭立ての勝ち馬が、前走と全く同じ走りをしたら16頭立ての馬のほうが勝つということを表しています。

この結果は必ずしも10頭立ての勝ち馬が弱いということにはなりませんが、10頭立て以下のレースの勝ち馬を買う際は慎重にレース内容を分析したほうがいいかもしれません。

まとめ:10頭立て以下の勝ち馬は疑え

ここまでの分析から、同じ1着であっても10頭立て以下のレースでの1着と、14頭立て以上のレースでの1着はレベルに大きな差がある場合が多いということがわかりました。

これは全体の傾向なので、各レースのレベルの質はより詳細に分析する必要がありますが、この傾向は頭に入れておくと少し馬柱の見方が変わるかもしれません。

以上、この記事が馬券購入時に少しでも参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。